Mie Hayamizu photography

写真 と 造形研究ノート 
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2019.06.08 Note デルス・ウザーラ

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北方民族について調べている時に、
中国東北部のロシアとの国境沿いに居住するゴルド人(現・ナーナイ)の
デルス・ウザーラが主人公となった本や絵本があることを知りました。
また黒澤明が監督した映画も在り、モスクワ国際映画祭大賞
1975年 アカデミー賞 外国語映画賞を受賞しています。

写真左にあります絵本の原画は
ロシア人の画家ヴァウリーシンの作品で、
動植物の描写が大変に美しくあります。

ウラディーミル・アルセーニエフ著『デルス・ウザラ』の初版本は
いまから96年前の1923年に発行されました。
約100年前に書かれた本が読み継がれてきたのですね。

著者のアルセーニエフはロシアの探検家で
物語の中でデルス・ウザーラと共に旅をする人物です。
植物や民族の研究者としても有能で、文才にも秀でていました。
1910から1919年、1924から1925年まで荒廃していた
ハバロフスク郷土誌博物館長を務め、博物館を立て直しました。
1921年から1924年までウラジオストク博物館の民族学部長を務めました。

ウラジオストクにある国立アルセーニエフ博物館の名にもなっています。
アルセーニエフ博物館は、
1884年にアムール地方研究会の博物館として創立されたそうです。
私はこの博物館に行ってみたい。

さて、物語なのですが、、、
結末まで書いてしまうと面白くないと思いますので
ざっくりとしたあらすじだけ紹介させて頂きますね。

1900年から約10年間にわたる出来事が書かれています。
当時、未開の地であったタイガ(針葉樹林)地帯を調べるように
政府から命を受けたアルセーニエフ率いる探検隊だったのですが、
あまりにも厳しい環境に打ちのめされそうになります。

そこで出会ったのがゴルド人(現・ナーナイ)の猟師デルス・ウザーラでした。
デルスは森の動物や星々に人間と同じように語りかけ
彼らの言葉を聴き会話をするのです。

自然に敬意を払い自然と共に生きている彼の経験と
自然から感じとる予知能力と判断力のおかげで
探検隊は想像を絶する厳しい環境のなかで起こる様々な危機を
無事に乗り越えることができたのでした。

ここから、アルセーニエフとデルスに親しい交流が生まれていきます。

その後の物語は、、、是非ご自分で読んで感じ取ってみてください。

自然への敬意を忘れかけている
現代社会へのメッセージが込められた1冊でした。


上にご紹介させていただいたインスタグラムは
写真家のアレクサンダー・キムシン氏が撮影した
シベリアの少数民族の写真をスライドショーにしたものです。
ナーナイ人の写真も納められています。
美しいですし、大変貴重な資料です。

【参考サイト】

Alexander Khimushin THE WORLD IN FACES
(https://www.khimushin.com/the-world-in-faces/)

ウラジオ発 観光スポット 国立アルセーニエフ博物館

【参考文献】

北海道北方博物館交流協会 編,加藤九祚 監修
『20世紀 夜明けの沿海州 デルス・ウザーラの時代と日露のパイオニアたち』
2000.04 北海道新聞社

ヴラジーミル・クラーヴジエヴィチ アルセーニエフ
『森の人 デルス・ウザラー』2006,05,01 群像社

2013年 旭川市博物館開館20周年記念事業 第70回企画展
「プリモーリエ(ロシア沿海州)の森 デルス・ウザーラ絵物語展」
パンフレット

【参考資料】

黒澤明監督 「デルス・ウザーラ」DVD

#デルス・ウザーラ #ナーナイ
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