Mie Hayamizu photography

写真 と 造形研究ノート 
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2019.04.05 Note

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 縄文時代中後期の有吉南貝塚に見られる甕被り葬や
骨器・骨偶に施された点状の文様の形状が
オホーツク文化時代の遺物のそれとよく似ていることから、
もしかするとオホーツク文化時代の土器に見られる波状文様も
縄文時代とよく似た考え方を脈々と受け継いで製作されたもので、
縄文人が信仰していたとみられる「ヘビ」を
簡略化して表したものではないか?と考えた事がありました。
※2018.12.25 Note参照

妄想なのはわかってるんですが、色々な視点で考えてみたくて。

そのような考えを片隅に持ちつつモヨロ貝塚館を訪ねて
解説員の方に説明していただきながら
古い土器から新しい土器の移り変わりを観察してみると、
初期の土器は特徴的な波状文様が明確ではないのです。
時代が移り変わり、彼らがモヨロの地に定住する時期と同じくして
土器の波状文様も定着していくという流れを見てとることが出来ました。

残された遺物から儀礼を重んじる人々であったことは明らかですので、
私が想像したように文様が「ヘビ」を表しているものだとしたら
かなり早い段階から波状文様を施すことで
土器に悪いものが入らないように祈ったことでしょうから、
推測は外れていると考えるべきでしょう。

それでは、この文様は何を表しているのか?といいますと
「大地と波と地平線」です。

きっぱりと言い切っておりますが、
この考えは私自身のちからで辿り着いたものではなく
ある考古学の先生に疑問をぶつけたところ返ってきた答えです。
先生は“オホーツク文化式土器に施された文様は「大地と波と地平線」ではないか、
海の民である彼らが、新天地で海と共に長い時間を暮らしていく間に、
海への感謝と畏敬の念を込めて生まれた文様ではないか”と推察されたのです。
※表立つのがお好きではないと伺ったので先生のお名前は控えました

この言葉を聞いた瞬間に、それまで引っかかっていた
波状文様が「ヘビ」を模しているとするならば
そこに並行して施された直線の文様は何を表しているのだろう?
土器にカエルや水鳥の装飾を施すこともある民族なのだから
ヘビの顔をリアルに装飾することもできるはずなのに
施していないのはどうしてだろう?という疑問が
スルリとほどけたのでした。

波状文様はオホーツク人の新たなシンボルとして生まれ、
オホーツク人が「ここで生きる」と決めた証なのかもしれません。

イラストはわたくしがイメージしてかいた網走。

【訪れた施設】
網走市立郷土博物館分館
網走市立郷土博物館分館 モヨロ貝塚館

【参考文献】
小林達雄 『縄文の思考』 2008.04.07 ちくま新書 p123-124

【参考サイト】
青森県庁 連載企画『縄文遊々学』
http://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/culture/jomon-yuyugaku-068.html

♯蛇信仰 ♯オホーツク文化 ♯土器はロマンのカケラ

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