Mie Hayamizu photography

写真 と 造形研究ノート 
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直木賞

川越宗一さんの『熱源』、直木賞受賞。
納得の一冊です。

【過去記事】
November 06 2019 川越宗一『熱源』を読む
http://muephotograph.blog28.fc2.com/blog-entry-1540.html

川越宗一『熱源』を読む

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好書好日(https://book.asahi.com/article/12727947)というサイトが好きで
お気に入りに入れています。
たくさんの本のことを知ることが出来て、新鮮で、とても面白いです。

その好書好日で川越宗一さん「熱源」インタビュー
“「文明」の理不尽さにさらされる若者たち、生きる源は”を読みました。
https://book.asahi.com/article/12727947

デビュー作『天地に燦たり』が松本清張賞を受賞した方が
2作目に選んだのがアイヌの世界ということで
絶対に読んでみたいと思っていました。

その後、こちらの『熱源』も、
第9回「本屋が選ぶ時代小説大賞」(11月1日に選考)を
受賞されたそうです。おめでとうございます。
https://books.bunshun.jp/articles/-/5105

本日、一気読みしました。

アイヌのことを知ろうとすると、そこにはいつも理不尽さがあっていて
心が痛くて胸がつぶれるほどに苦しく感じるのですが
『熱源』も心が揺さぶられて胸がつぶれるようでした。
語彙力がなくてあれですが、“揺さぶられた” ということです。
スケールが大きく、本当にこの世界を生きた誰かの物語であるかのように
大変ドラマチックだったから。

重厚感ある話が続く中に
金田一京助先生が出てくる章があるのですが、
実在する方だからか何だか不思議な感じがしながらも
それまでよりスルスルと読むことが出来ました。
詩が上手な親友のくだりでクスリっと笑ってしまいました。
札幌に下宿跡(訪問しました)と
函館に一族の墓(訪問しました)があるあの方ですね。

文化を奪うことは イコール アイデンティティー の喪失である。
改めてそのように考えさせられた良い歴史小説でした。

満足。

【読んだ本】

越宗一 『熱源』 文藝春秋 2019.08.28

曾祖父の著書

渡辺貞治, 星野忠治 共著
『金銭債務臨時調停法の活用法 :
民法商法時効に関する法律の一般と其等に関する必要な書式』という本を
曾祖父が書いたことを知り、国会図書館サーチで探してみるとありました。

https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000615147-00

渡邊貞治が、わたしの曾祖父にあたる人です。

明治23年生まれ。
日本大学歯学部と明治大法学部を出て、歯科医の後に弁護士になり、
地元の福島県へ戻り、市議をしつつ日新館中学校で講師をしていました。
曾祖母は校訓「恥を知れ」でお馴染み大妻女子大卒。
当時はまだ裁縫を教える女学校でした。
(市議時代の新聞記事に書かれていたものを抜粋しました。
なので学歴や職歴の紹介が主です。人柄を知りたいな。)

まずは図書館送信サービスを利用して
デジタル化した資料を読ませてもらおうかなと思っています。

国会図書館には行ったことがなかったのですが、
実物も見てみたいので(マイクロ化されてるから実物はないかも)
時間を作って読みにいこうと思います。
家族の資料が残っているというのはすごく嬉しいことですね。

【追記】 2019.11.23

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図書館でデジタルデータを閲覧してきました。
当時の法律に関わる様式がわかるマニュアル本でした。
曾祖父の人となりにつながるようなものは
得ることが出来なかったのですが、
曾祖父が生きた証に出会えてよかったです。

サロメ

まったりと趣味の読書をしてました。

子どもの頃から、どこか切ない話が好きです。
アンデルセン『人魚姫』、オー・ヘンリー『最後の一葉』『賢者の贈り物』、
そして、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』は繰り返し読みました。

本日の本はオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』。
こちらは切ない系の話ではありません。
生首がでてきます。

現在、画家のギュスターヴ・モローが描いたサロメ展示が
パナソニック汐留美術館で開催されていて
見たいなあと思いながら時間に追われる日々だったもので
じゃあ本を読んでみようかと。

海外の本を読むときは訳によって世界感が変わってしまうので
誰が翻訳した本が好まれているのか検索をしてみますと、
福田恆存さんが翻訳し岩波文庫で出版された『サロメ』が良さそうでした。
わたしは文章の良さで検索をしたんですが、実際手に取ってみると
原作と同じくオーブリー・ ビアズリーの挿絵が使われており
原作と同じく友人(実際は同性の恋人)に捧ぐ扉の文言も入っており
もちろん翻訳された言葉のリズムや美しさにも満足できました。

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もう一冊、平野 啓一郎さんが翻訳した『サロメ』も読んでみました。
個人的に翻訳は福田恆存さんのほうが好みでしたが、
こちらは、現代的な言葉を使っていますので読みやすくなっていますし、
オスカー・ワイルドの生い立ちや恋人のこと挿絵についての解説もあって
こちらはこちらで、読んで良かったです。

聖書が元となった戯曲ですので、ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)が
イエスの出現を預言しているセリフなどが出てきます。
モローの絵に関する美術評論を読んでいたので
物語のざっくりとした内容はわかっていたのですが、
オスカー・ワイルドの描くサロメ像は
少女の無垢さと残酷さがありありと溢れておりました。
かわいさあまって憎さ百倍とは・・・こわわい。

モローが書いた複数のサロメのなかでは
ルーヴル美術館にある《出現》(1876年)が
オスカー・ワイルドのサロメで描かれている
妖艶な処女の印象に近いかなと個人的には思いました。
《刺青のサロメ》になると神秘性が凄すぎてシャーマンみたい。

置戸町立図書館

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館内のデザインが優れている図書館と言えば置戸町立図書館です。

ここに来たかったのは館内のデザインと
自動車図書館「やまびこ号」(移動図書館)を
実際に見てみたかったからです。

館内は、さすが木材の街。
いたることろに木がふんだんに使われています。

空調が弱いのかちょっとニオイは気になりましたが、
手に取りやすい本の並べ方がしてあり、
お茶と珈琲が置いてあるのも寛いでいってください
というメッセージのようで嬉しかったです。

トイレの入り口にも黒曜石がディスプレイされています。
置戸は黒曜石の産地でして安住遺跡(旧石器時代)が有名です。

「やまびこ号」は外からのみ見ることが出来ました。
移動図書館は、図書館が遠くて読書が出来ない人を出さないように
「いつでも、だれでも、どこでも」本を読む事が出来るように
考えられたサービスなんですよ。ありがたいですよね。
自分の目で見ることが出来て嬉しかった。

【訪れた施設】
置戸町立図書館

【参考文献】
北海道開発協会 広報誌「開発こうほう」 2008 年 3 月号(通巻536号)
地域経済レポート マルシェノルド No.20 地域と図書館~新しい時代の図書館像を探る~

【参考サイト】
コトバンク 置戸安住遺跡
コトバンク 移動図書館

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